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豊洲の宵を笑いのひとときに
……豊洲ブランド「都笑亭」 江東区豊洲には、キッザニア東京やガスの科学館があり注目を集めている。豊洲にある日本ユニシスの社員7人が中心になって作った社会人落語の会「都笑亭(とわいらいとてい)」は、平日夜、豊洲文化センター(江東区豊洲2-2-18)で手作り寄席を開き、笑い人口を増やし続けている…。 昼と夜の交差する時間、豊洲で交流の場に 落語好きの仲間が集まり、豊洲の街で働く人たちと他の街で働く豊洲在住の人たちが交流できる場として手作りの寄席を開催したのは、平成6年5月。時間は在勤、在住者が交差する時間帯。まり、「豊洲の宵(=とわいらいと)」、名前はこうして決まった。 ![]() 丸16年の「都笑亭」は、初回来客37人から着実に数字をのばし続け、若者から高齢者まで様々な世代の観客が年5回の寄席に足を運んでいる。現在は300名収容の豊洲文化センターレクホールを利用し、高座にあがった人たちの職業は様々だ。 平成11年からスペシャルとして年に一度プロの噺家たちを呼ぶようになり、現在、立川志の輔師匠などが高座にあがった。「都笑亭」は、豊洲の平日の宵の楽しいイベントとして定着している。 17年目に突入する手作り寄席、笑った人まもなく1万人! ![]() 現在、「都笑亭」を運営しているのは13名。うち5名は高座にもあがる。メンバー各々役割を分担し、メールなどで連絡をとりあい寄席の準備にあたる。チケット、チラシ、プログラムの作成、DM発送、街角営業、チケット前売りなど。区内の公共施設へのポスター掲示や寄席当日の会場設営などは豊洲文化センターが協力にあたっている。 木戸銭は5百円。落語好きが楽しめればいい、来てくれた人たちが笑ってくれればいい。プラスになったら寄付をする。あしなが育英会に寄付開始したのは発足の翌年だ。ここから2人がプロの落語家へと飛翔した。 豊洲の会社員だった代表の小林敬さんは定年退職し、現在は千葉在住。「IT社会とは無縁の高齢者のためにネットに頼らず地道にDM発送やポスター貼りなどを心がけています。最近は若い女性の参加が嬉しい」と語る。 寄席で笑った人はまもなく1万人になる。次回は12月3日、宵の18時30分開演だ。 (ライター・桑島まさき) ◆問合せ 「都笑亭」HP http://www1.u-netsurf.ne.jp/ ~TKOB/sub2.html 江東区豊洲文化センターHPhttp://www.kcf.or.jp/toyosu/index.html
覚悟の入門、大衆の「星」から「福」へ…
講談師・宝井梅星さん 13年前、講談の世界へ飛び込んだ宝井梅星さんは、東京都台東区の木馬亭、上野広小路亭、中央区のお江戸日本橋亭などの寄席に出演すると共に、寺などで辻講釈も行っている。活動の幅は広く、高座がなくても張り扇があればどこへでも出かけて芸を披露する。品川区の船の科学館の「宗谷」をテーマとした辻講釈は3年以上続いている。 昭和の光と影、感動を語り続ける 第一次南極観測隊とカラフト犬タロとジロの話はあまりにも有名だが、現在ではこの感動話を知る人は少なくなっている。南極観測船として凍てつく大陸へ向かった「宗谷」は、その後「北の海の守り神」として活躍した後、現在は船の科学館で保存展示されている。北海道出身の女性講談師・宝井梅星さんと南極観測船「宗谷」の出会いは必然だろう。新作台本を作るため宗谷をふらりと見に行った時、船の科学館から「南極観測隊の物語を宗谷を舞台にやったらどうか」と話をいただく幸運が舞い込んだ。 こうして、宝井さんは毎月一回(日曜日)、同館で昭和の光と影を長く語り伝えている。約40分、釈台なし、立ったままの姿勢で実演する。冷暖房設備が整っていない船内は、寄席場と違い夏と冬は厳しい環境となるが、様々な場所で辻講釈をこなしてきただけに特に問題はないそうだ。 すっぱい修行もなんのその、話芸で福を与えたい ![]() 宝井さんの講談師デビューは、実は遅い。宝井琴梅師匠に弟子入りをお願いした時、覚悟の程を確認されたという。学生時代、アルバイト先の「DJ喫茶」でディスクジョッキーをしていた時、話芸にハマり、紆余曲折を経て、講談の世界へ。最初、師匠からいただいた「梅星」という名前に唖然となったが、もとより苦労を覚悟で飛び込んだのだから、逆に気に入った。 努力の甲斐あって入門から前座、二つ目と順調に進み、来月10月1日付けで真打に昇進が決定した。 それに伴い、「梅星」から「梅福」となる。すっぱい苦労の末みがいた芸の数々で、「観にきてくれるお客さんを幸福にしてあげられたら嬉しい」と梅星改め梅福さん。宝井さんの挑戦は果てしなく続く。(ライター・桑島まさき) ◆問合せ 宝井梅星(10月1日より梅福)さんブログ http://www.geocities.jp/umeachi/ 船の科学館HP http://www.funenokagakukan.or.jp/
庶民の娯楽・大衆演劇で谷中を活気づけたい
・・・・・・愛望美さんかつて、全国に夥しい数の大衆演劇劇団が存在したが、テレビや映画の出現で衰退し、その数は激減した。義理人情芝居に泣き、笑い、歌や踊り盛り沢山のショーに圧倒され…。大衆演劇が再びブームとなっている。昨年秋、芸の街・台東区谷中にオープンした戸野廣浩司記念劇場(以下、「戸野廣劇場」)では、毎月大衆演劇を楽しむ事ができる。 地域に根ざした活動を展開・・・谷根千の愛姫 大衆演劇の世界は、男性の数が圧倒的に多く、基本、女性は主役の男性をもり立てるための脇役に廻る事が多い。端正な容貌で劇団をひっぱる女形が注目を集める一方で、男役をこなす女性役者もいる。19歳で茨城から出てきて若葉劇団に入り、現在(31歳)まで、全国の小劇場などで多くの公演をこなしている愛望美さんもその一人だ。 ![]() 6月26、27日の両日、愛望美さんが所属する若葉劇団と戸野廣劇場の共同企画「若葉しげる×若葉愛二人芝居 知覧の母」公演があった。芝居と舞踊ショーの2部構成、2日目の27日は奇しくも、愛望美さんの誕生日。自身の誕生日会をかねて、正式に「谷根千の愛姫」としてお披露目を行った。活動はこれまで通りだが、毎月1回は戸野廣劇場に出演する。谷中に出る時は、この愛称だ。 さらなる飛躍をめざし ・・・若姫劇団立ち上げ ![]() 小さい頃から日舞を習っていて、歌ったり踊ったりするのが大好きだった。切れ長の涼しい目元、ほっそりとした体。華やかな着物をきた典雅な姿も着流し姿の男役も清楚な艶やかさが光る。地方廻りの多い役者業をこなしながら、一人娘を育て、その愛娘も「若姫有姫」として既に舞台にたっている。さらなる飛躍をめざして「若姫劇団」を立ち上げ、8月14、15日両日、戸野廣劇場でお披露目を行った。 ![]() 「谷中に出れるようになって嬉しいです。その時々の観客層によって選曲も自分でやります。戸野廣劇場は互いの反応を確認できる距離感が好きです」。谷中に足を運べば、エンタメにこだわる演出がたまらない大衆演劇を楽しむ事が可能だ。そこには必ず、愛望美さんが出演している。 (ライター・桑島まさき) ◆問合せ ●戸野廣浩司記念劇 http://iandifactory.com/iandi/tonohiro/tonohiro.htm 愛望美さんブログ http://ameblo.jp/aiai0627nozomi/
花やしきの占い
鑑定士・前田文子さん 一期一会を大切に、 多くの人達と出会い元気づけられる喜び 神社仏閣の多い台東区。特に浅草にはあまたの神社仏閣があるが、その数と比例して様々な占い鑑定士がその近辺で活動している。日本最古の遊園地「浅草花やしき」内で多くの人々を見続ける占い鑑定士にお話を聞いた。 手相は外に現れた脳、未来は自身の力で 江戸末期開園の「浅草花やしき」。元々は花園「花屋敷」として始まったが、歴史を重ねるうち、戦後しばらくして「浅草花やしき」(以後、「花やしき」と表記する)と改名し、浅草の遊園地として現在に至っている。 ![]() 「花やしき」内の一角にある占いコーナー「あたるも」で占い鑑定士として働く前田文子さん(東明館所属)は、毎週土曜日ここで多くの人々の手相をみている。国内外の観光客が年中訪れる浅草だけに、「花やしき」の客のほとんどは観光客だ。よって、前田さんが占う客の多くは観光客、仔細にいえば、親子やカップルが圧倒的で、たまに地元のリピーターがあるという。 利き手の手相は現在と未来を、反対の手は過去、つまり持って生まれた宿命を示すもの。悪い相をしているからといって人生を諦める必要はない。自分が望み、そう思った通りに、人生は動くもの。ふと手をみると手相が変わっている事に気づく事が多いはずだ。つまり、手相は「外に現れた脳」なのだ。 年を経ることのすばらしさを伝えていきたい 元々、人間の顔相をみるのが好きで自己流で似顔絵をかいたりしていた。もっと多くの人達と出会いたいという思いから、本格的に占い鑑定士の勉強をはじめ派遣されたのがここ「花やしき」である。観光客相手の鑑定なので、多くのケースが一回きり。「一期一会でも、私の鑑定でその方を勇気づける事ができ、希望や自信を与えられたら嬉しいです」と前田さん。 60歳を過ぎてから占いの道へ進んだ。何かを始めたいと思った時が、転機だ。沢山の人達に接し、年老いてからもできる仕事と思ったからだ。年をとる事にマイナスなイメージを持っている人達が多いようだが、年齢を重ねたからできる事は、確かにあるのだ!(ライター・桑島まさき) ◆問合せ ●東明館 http://www.toumei-tesou.co.jp/toumeikan/ ●花やしき http://www.hanayashiki.net/
周囲の人達に支えられ、
講談師5年目に突入! 芸能の街・浅草には演芸スポットが多くあり、芸人たちが日々往き来している。入門してちょうど4年になる女性講談師・宝井琴柑(たからい きんかん)さん(以後、「琴柑さん」と表記)もその一人。台東区内では、木馬亭や上野広小路亭、谷中の戸野劇寄席などへの出演も多い。小さい頃から慣れ親しんだ道 琴柑さんがプロの世界に入ったのは、4年前。横浜で育った小さい頃から、両親に連れられて講談を聴いた。中学生の時に、アマチュア向けの教室である宝井講談修羅場塾に入り腕を磨いた。講談以外に農業にも関心を持ち、都会から山形大学へ進学。卒業後は8ヶ月間、農業関係の出版社で営業の仕事についた。しかし、講談が忘れられず退社し、講談の世界で食べていこうと決心した。こつこつと前座修行をかさね、今年6月には二つ目に昇進する。昇進記念講談会が6月20日、谷中の戸野廣浩司記念劇場で開催される。「師匠(宝井琴星)や大師匠(宝井馬琴)の存在は、私にとっては絶対的なもの。教わることが多すぎて、その生き方すべてが見本であり道標」と琴柑さん。 全力でお客様と戦う、高座は成長の場 4月26日、丸の内の東京ファミリークラブで開催された「講談たっぷり会」(OSC主催)では、一龍斎貞山先生、宝井琴梅先生の前講をつとめた。過去のネタ帳をみて演目が重ならないよう確認し、50名程の観客の前で坂本龍馬伝を披露した。![]() 大ホールの会場もあれば、カウンターだけの小さな飲食店での高座もある。琴柑さんは、観客の息づかいや反応をじかに感じられる、小規模の寄席が好きだという。「高座を全力でつとめ、よい意味で目の前のお客様と戦うのです。お客様にプラスのパワーをもらって頂きたい。体当たりでぶつかって、皆様の心に響くものを出したい」と琴柑さん。 講談でやりたい事は沢山ある。いつかは、農業をネタにした創作講談も聴けることだろう。華奢な体を揺り動かし、軽快に、爽やかに、琴柑さんは全力で張り扇を叩く。 (ライター・桑島まさき) ◆問合せ 宝井琴柑公式ブロhttp://takaraikinkan.seesaa.net/ 講談たっぷり会(http://homepage3.nifty.com/itatuka/tappurikai.htm)
若い世代の気持ちを掴むために、「もぎたてカルテット」始動!
芸能の街・浅草には演芸スポットがあり、芸人たちが日々往き来している。浪曲の定席をもつ浅草・木馬亭では毎月1日から10日間、浪曲寄席が行われている。若い世代に、固く古いイメージをもたれがちな浪曲に触れてもらうために結成された「もぎたてカルテット」。4人の若手浪曲師たちは、木馬亭や上野広小路亭を修業の場として研鑽を積んでいる。 ![]() 出身も経歴も違う男女が浪曲に魅せられて「もぎたてカルテット」は、日本浪曲協会に所属する浪花亭友歌、澤雪絵、玉川太福、東家一太郎という入門して約3年のフレッシュな若手浪曲師たちによって結成された。4人は出身も経歴も違うが、浪曲師になったきっかけは、色々なご縁の末、導かれるように木馬亭へ行き、そこで初めてみた浪曲の表現力に魅せられ、他では得られない感動を味わって業界に飛び込んだと言う。 皆30代前半。他の業界では部下や後輩がいる世代だ。10年でようやく一人前という世界では、3年というキャリアはまだまだなのだ。現在は木馬亭や上野広小路亭が主な公演先、つまり職場だ。木馬亭での公演期間中は自分の出番がなくて早くから会場入り、掃除、師匠や先輩たちの世話など芸の世界の〈通るべき道〉を黙々とこなしている。 浪曲界の期待を担うカルテットの使命 「もぎたてカルテット」、名付けたのは人気浪曲師の国本武春さんだ。かつて絶大な人気を誇った浪曲を復活させるため、国本さんが塾長となり若手浪曲師のための勉強会「わかたけ塾」(奇数月の第3金曜日)を開いている。カルテットはここで飛躍をめざし勉強に励んでいる。「男の花道」「花のお七」「不破数右エ門芝居見物」「水戸黄門」など4人の得意とする演目は分かれているが、カルテットとして舞台に立つ時は溌剌とした魅力と息のあったかけあいを披露してくれる。固定観念をもたず浪曲に触れて欲しい、学校などで出前寄席を開き子供たちにも浪曲を知ってもらいたい、カルテットを知ることで浪曲の魅力を知ってもらえたら嬉しい、など思いは様々だ。 (ライター・桑島まさき) ◆問合せ 日本浪曲協会 (03)3844-1611 (5月公演は1日~10日) 詳細は協会のHPをご参照ください。 http://www.rokyokukyokai.org/index.php?FrontPage
鳥のように自由に、そして人と集う場所公演:3月17日~23日
2007年夏に旗揚げした劇団「鳥公園」は、東京藝大大学院生の西尾佳織さんと同じく藝大生の森すみれさんの2人だけの小さな劇団だ。2人の型にはまらない自由な表現への挑戦は、これから本格的に始動する。 自由に、自立して、楽しみを共有する時間と空間劇団「乞局(コツボネ)」に所属しながら、自身の劇団「鳥公園」を主宰している西尾さん。2人だけの「鳥公園」では、劇作、演出、公演によっては出演もこなす。演劇固有の表現を追求し続けている「鳥公園」は、西尾さんのめざす演劇法の実験の場でもあるのだ。 昨年夏、入団した森さんは藝大でデザインを専攻。「鳥公園」では専門を活かし美術(チラシ作成、小道具、webなど)と俳優業をこなす。 今春、西尾さんは藝大大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造修士課程を終え、森さんは大学を卒業する予定だ。大学がある関係上、台東区を拠点として学業と芝居を両立させ演劇活動をしていたが、これからは演劇に専念し活動範囲も広がる予定だ 台東区上野の古民家で初めての公演「鳥公園」の年間公演は大体3本。時々番外公演が入ることもあり、小劇団なので何から何までやらなければならない。そんな2人が今回初めて、谷中の築百年の市田邸で今年初の公演「おばあちゃん家のニワオハカ」を行う。「老い」を肯定的に捉えた作品で、公演は3月17日~23日。詳細は劇団のHPをご参照下さい。 (http://birdpark.web.fc2.com/) 「地域で長く親しまれてきた古い日本家屋で、そんな力のある場所でしかできない作品を作ることが狙いです。歴史ある建物と若い世代の斬新なアイデアとの出会いを楽しんでいただけたら嬉しいです」と西尾さん。 古典戯曲の演出公演、小説・詩などの言語表現のリーディング公演、実在の事件や都市への取材に基づいた公演という3本を活動の柱にする。どんなに重い題材を扱っていても作風は爽やかで、幻想的な要素があり、希望のもてるものばかりだ。 藝大在学生として最後の作品となるだけに意気込みは強い。 (ライター・桑島まさき)◆問合せ 鳥公園/担当・西尾 080(5472)5657 ◎3月公演は17日~23日 ※詳細は劇団のHPを参照。 (http://birdpark.web.fc2.com/)
芸能の街・浅草には演芸スポットがあり、芸人たちが日々往き来している。木馬亭で毎月8日間の定期公演を行っている橋達也座長率いる「お笑い浅草21世紀」(以後、「21世紀」と表記。事務所は台東区雷門)の喜劇女優おののこみちさんもその一人だ。
「笑いのメッカ」浅草で演じる誇りと充実木馬亭公演の構成は2時間半。1時間はマジック、コント、歌謡ショーなど様々な芸人たちが登場し、その後に21世紀の喜劇が1時間半。公演期間中、21世紀の団員たちは場内の掃除、呼び込み、受付、裏方など全て自分たちでこなす。 関西でパフォーマー活動をしていたおののさんの役者としてのスタートは、実は遅い。上京し、21世紀に入りデビューしたのは2002年だ。上京した時、21世紀の存在はしらなかった。浅草までのアクセスがわからず、やっと辿り着いたそうだ。「役者になりたいと思いましたが喜劇を目指していたわけではありませんでした。新聞で劇団のことを知り木馬亭に初めて行った時、観客は少ないのに演じている芸人たちが一生懸命でイキイキしていたんです。そこに自分も立ちたいと思いました。エノケンさんをはじめ先輩達が築いてこられた芸能の地・浅草で舞台に立てて幸せです」とおののさん。 不況をふっとばす笑いの効能芸の蓄積とガッツで、いつしか座長の相手役になったおののさんは、大好きな歌を公演でよく披露してきた。そして昨年5月には「冬は必ず春となる」でCDデビューを果たした。 足を運んでくれる観客は中高年の常連がほとんど。中には地方から出張ついでに来てくれる人もいるという。「好きな事をやって、しかも人に喜んでもらえて本当にありがたいです。まずは、地元の方々を笑いで元気づけられたら嬉しい。笑っていただきたいです」と加える。 演者と観客が一体化し時間と笑いを共有する。確かに厳しい経済情勢だが、じっと耐え好景気がくるのを気長に待ちたい。笑いと努力さえあれば、きっと大丈夫だ! (ライター・桑島まさき) ◆問合せ お笑い浅草21世紀(3844)2130 ◎2月公演は14日~21日 http://asakusa21.com/ 人の心のありがたさがボランティアの原点中央区・人形町界隈で「絵本のおばちゃん」「日本語の先生」「新内の梅春さん」などと多くの人達から声をかけられる女性がいる。古風にして斬新な着物、かりあげたショートカットの髪を緑色にあでやかに染めた小林典子さんは、忙しく界隈を駆け回っている。 何かを始めるのに遅すぎるということはない 小林さんが新内の世界に足を踏み入れたのは、50歳に手が届く頃、「勝新派 新内梅八太夫」に師事し、3年後に浅草の雷門5656会館で初舞台を踏んだ。以来、現在まで「新内 梅春」として活躍しているが、ここまでの間に嫁ぎ先の両親、実父、夫の介護、死別を経験した。 介護は大変だったが家族の入院中に人の心のありがたさを痛感し、「その思いが他者のために尽くすボランティアの原点となった」と小林さん。新内を活かしたボランティアはできないかと考え、中央区内の介護施設のディサービスで「新内弾き語り」を始めた。最初の頃、渋る所もあったが、現在は定期的に数カ所で弾き語りをさせて頂いている。 介護施設では、お年寄りが興味をもってくれるように演目を選ぶ。時には一緒に歌い、お腹から声をだすことで元気になり、これからの人生を楽しく過ごしていただくお手伝いと考えている。 他者と触れあい、繋がり、自身も向上できるいい緊張感一番忙しいのは、シニア読み聞かせグループ「りぷりんと・中央区」での活動。区内の幼稚園、保育園、小学校の子どもたちに授業が始まる前の20分間程読み聞かせをするが、そのためにかける時間は大変。「朗読ボランティアわかはや会」会長五味さんの影響がおおきい。国際交流センターでは外国人に日本語を教えている。新内弾き語りや発表会を見にきてくれた人達に自筆でお礼状を書いていたら介護施設関係者の目にとまり、月島「相生の里」で絵手紙を教えるようになっていた。 「人さまのご縁に恵まれてここまできました」と語る小林さんは、旧きを知り、新しいモノを肯定的に取り入れる。颯爽と街を闊歩する姿は本当に美しい! (ライター・桑島まさき) ◆問合せ (3664)8687(小林典子さん) 中央区を拠点として人と人を繋ぐ活動を展開「地域密着と人」をテーマに、街に住んでいる人、働く人、遊ぶ人…地域と関わる様々な「人」にスポットをあててお話を聞く新企画。 第1回目となる今回は、主に中央区を拠点として活動する人達のために交流会を催したり、ミニコミ誌を通して情報を発信したり、様々な会に参画する、元気溌剌とした福島一雄さんを紹介する。 『社会福祉の母』の精神を広めるために 浅草寺の境内に銅像がある「瓜生岩子」のことを知っていますか?実はこの名前、医療や福祉関係に従事している人でさえ知らないことが多い。 福島県生まれの瓜生岩子は、社会福祉事業に生涯を捧げた『日本のナイチンゲール』と呼ばれる有名人なのだ。江戸末期から明治時代、岩子はセレブ的存在だったようだ。弱者救済のためにあちこちに足を運んだ岩子は上京し、深川の教育養護施設に学んだこともあり、女性として初めて「婦人慈善記章の制」請願書を国会に提出した人としても有名。自己中心的な人達が多い現在、己を捨て他人のために尽くした人物の偉業を伝えたい。そんな想いを抱いた福島さんが、岩子の偉業や精神を知ってもらおうと東京で顕彰を続けて10年。2007年には「瓜生岩子を讃える会」を立ち上げた。そのお陰で同年、没後百十年記念祭が浅草寺境内で開催され、ナイチンゲールの存在は再び広がりだした。 地域に密着し、広がってゆく多彩な活動今年、岩子のために「会津の一番星」(作詩・岩田道之輔、作曲・長谷川ひろのぶ、編曲・庄司龍)という曲ができCD発売された。プロデュースは福島さん、熱唱するのは歌手の美咲香さんだ。美咲さんは「大江戸こども歌舞伎『信楽会たぬきっず』」の会長を務めている。福島さんは同会では渉外担当だ。 その『信楽会たぬきっず』は、10月3日から浅草寺境内で開催されている「奥山こども歌舞伎まつり」に出演している。福島さんの孫も出演中だ。場所は瓜生岩子像のすぐ近くだ。日本橋在住の福島さんだが、その活動は中央区、台東区、他のエリアへと広がってゆく。福島から各地を訪れた岩子のように。多彩な活動はミニコミ誌「ハッピー」にまとめ必要な人達に発信している。 (ライター・桑島まさき) ◆問合せ (3639)5108(福島一雄さん) < 前のページ次のページ >
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